社宅にすると従業員・役員がいくら得する?
「社宅にすると節税になる」とよく聞きますが、誰にとって、どのくらい得するのでしょうか?
実は、メリットを受けるのは主に役員・従業員(個人)側です。今回は住宅手当との比較をもとに、具体的な節税額を数字で分かりやすく解説します。
1. 住宅手当と社宅、何が違う?
2. 具体例で見る節税額シミュレーション
3. 社宅の家賃はいくら取ればいい?
4. 社宅スキームの注意点
5. まとめ
1. 住宅手当と社宅、何が違う?
会社が従業員の住居を支援する方法は大きく2つあります。
| 比較項目 | 住宅手当 | 社宅 |
|---|---|---|
| 給与課税 | される(所得税・住民税の対象) | されない(賃貸料相当額を除く) |
| 社会保険料 | かかる | かからない |
| 個人の実質負担 | 大きい | 小さい |
| 会社の経費化 | できる | できる |
会社にとって経費にできる点は同じです。社宅の節税メリットは、主に役員・従業員(個人)側にあります。
住宅手当は給与として課税されますが、社宅は「賃貸料相当額」を会社に支払えば、残りの家賃相当分は給与課税されません。所得税・住民税・社会保険料の節約につながるのがポイントです。
2. 具体例で見る節税額シミュレーション
■ 前提条件
- 家賃:月15万円(年間180万円)
- 賃貸料相当額(個人負担分):月2万円(年間24万円)※家賃の約13%
- 所得税・住民税・社会保険料の合計負担率:約40%
■ 住宅手当として受け取る場合
月15万円の住宅手当を給与に上乗せしてもらうと、40%が税・社会保険料として引かれます。
手取りの増加:月15万円 × 60% = 約9万円
残りの6万円は税・社会保険料で消えてしまいます。
■ 社宅にした場合
会社が家賃15万円を負担し、個人は賃貸料相当額の2万円だけ支払います。
個人の実質メリット:15万円 − 2万円 = 月13万円分を非課税で享受
■ 年間の差額
住宅手当(手取り9万円×12)と比べると、
社宅のほうが年間約48万円お得(108万円 vs 156万円相当)
5年で約240万円の差になります。
3. 社宅の家賃はいくら取ればいい?
賃貸料相当額を徴収せず「無償」で貸すと、その全額が給与として課税されてしまいます。
税法で定められた賃貸料相当額を毎月きちんと徴収することが、非課税扱いの条件です。
賃貸料相当額の具体的な計算方法は、国税庁のタックスアンサーで確認できます。
一般的なマンションであれば、実際の家賃の10〜20%程度になるケースが多いです。
4. 社宅スキームの注意点
形式だけ整えても実態が伴わないと税務上否認されるリスクがあります。以下の点を必ず確認してください。
- 賃貸契約の名義は会社にする
- 社内規程(社宅規程)を整備する
- 賃貸料相当額を毎月きちんと徴収する
- 過大・豪華な物件への適用は税務否認リスクあり
5. まとめ
- 社宅の節税メリットは主に役員・従業員(個人)側にある
- 住宅手当と違い、社会保険料・所得税がかからない形で会社負担にできる
- 年間40〜50万円程度の節税になる可能性(所得・家賃水準による)
- 賃貸料相当額の毎月徴収が非課税扱いの絶対条件
- 高額物件・豪華物件は要注意
個別の物件・所得状況によって節税額や手続きが変わります。
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